
戦前、現在の珠洲市役所の裏手にあった通称、阿弥陀山から湧き出た鉱泉を源泉として始まりました。
1988年、珠洲市野々江町の海岸沿いに移転し、現在の「海が見える銭湯」として「海浜あみだ湯」が誕生しました。以来、世代を超えて銭湯文化を守り継いでいます。
あみだ湯では、地下水をくみあげ、地元の木材でお湯を沸かしています。
生活の営みを閉じた民家や、事業所から集まる廃材を燃料とし、お湯を温めながら、一人ひとりの生活の一端を担えたらと続けています。
「地域で循環する銭湯」として、環境にも住まう人びとにも寄り添う、優しい柔らかなお湯を届けています。
2024年1月1日、令和6年能登半島地震が発生し、奥能登地域を中心に甚大な被害をもたらしました。多くの家屋が全壊・半壊し、水道や電気などのインフラも寸断されました。
あみだ湯も被災しましたが、迅速な対応により、パイプや排水管を修理し、地下水の汲み上げに成功しました。津波被害を免れたため、2024年1月19日には営業を再開することができ、復旧期において1日最大600人、平均して1日約450人もの方にご利用いただくことができました。
断水で入浴できない住民にとって、重要なインフラとしての役割を果たすとともに、支援物資の配布拠点や、自衛隊風呂では対応が難しい高齢者や大家族の入浴支援、さらにはボランティアの受け入れ・派遣の中継地点としての役割も持ちました。多くのボランティアの方々と共に、地域の復興支援に取り組んでいます。
珠洲市に住む人も、訪れる人も、おはようの人も、おやすみの人も…みなさんとの「ただいま」と「おかえり」を温める、そんな町の銭湯を目指して、今日もお湯を温め続けています。